節約を旨とする我が家であったが、今思うと「プラレール」はかなり頑張って買い揃えてくれていたのかも知れない。実家のどこかには、まだミカン箱ふたつ分のプラレールが眠っているはずである。
しかし、「鉄道模型」となると別次元。同級生の「がっちゃん」こと石垣君宅にあったNゲージは憧れであったが、当時、1両=1,000円は下らないNゲージが、我が家において到底おねだり出来る代物で無いことは小学生の頭でも分かっていたのであった。
それから約30年の月日が流れ・・・。
スイスに憑かれた私は、いつしか「お茶の間にもスイスを!そうだっ!鉄道模型でスイスを再現しよう!」と思うようになり、気が付けば旅の途中で首都ベルンの旧市街にある鉄道模型店に降りたっていた。
そこでカタコト英語を駆使し、何とか電気機関車1両、客車を2両、貨車を1両。それと、駅・教会・農家のストラクチャーを購入。帰国後、初めてのNゲージで、無謀にも初めてのレイアウト作成に挑むのであった。
スイス連邦鉄道カンデル谷線
N-Spur Modellbahn "SBB Kander-Tal Bahn"
・着工/2009年8月
・竣工/2010年2月
・工期/約6ヶ月
・サイズ/W800mm D400mm H250mm
ベルン州とヴァレー州を隔てるブリュームスアルプ連峰から、トゥーン湖畔の街シュピーツに伸びるカンデル谷。その谷底を走る街道から、少し入ったところにある架空のローカル駅UntermürrenAlpウンターミューレンアルプと、その周辺に広がるのどかな風景。
実際のカンデル谷を走っているのはBLSレッチュベルク鉄道であり、SBBスイス連邦鉄道ではないし、ましては氷河急行の経路でもないが、まぁそこは雰囲気ということで・・・。
東日本大震災の折に、棚の上から真逆さまに落下するという悲劇に見舞われたものの、強度不足の手作りケースがむしろ良い感じのクッションとなったのか、レイアウト自体は奇跡的に大きな被害を受けず、現在に至る。
走行動画ページ/レーティッシュ鉄道 "アレグラ " ABe8/12 >
ラインベルク旧市街
N-Spur Old Town of Rheinberg, Switzerland.
・着工/2011年9月
・竣工/2014年6月
・工期/約2年9ヶ月
・サイズ/W900mm D650mm H370mm
ライン川に面したドイツ国境にある架空の街Rheinbergラインベルク。路面電車が走る旧市街では、ささやかながらオクトーバーフェストの催しが行なわれており、マーケットが立ち、ブラスバンドの演奏が行なわれている。 朝夕はめっきり冷え込む季節になり、牛たちの多くは山から下ろされ、斜面ではブドウの収穫が始まり、木々は少しつづ色付き始めている。
前回よりも少しサイズが大きくなったのをいいことに、「街を作ろう!」「だったら、路面電車も走らせよう」「大きな橋も架けよう」「駅のホームは3面欲しいな・・・」「そうだ!電飾にも挑戦しよう」などと欲張り過ぎたせいで、悪戦苦闘したレイアウト。
<番外編>
晩春の総武花咲線
Late spring in Sōbu-Hanasaki Line
・着工/2015年2月
・竣工/2017年4月
・工期/約2年2ヶ月
・サイズ/W800mm D405mm H275mm
我家に新規レイアウトを置くスペースは無くなりつつあり、高価な欧州製ストラクチャー購入する経済状況でも無くなり、しかし創作意欲は抑えきれず「これが最後」と言い聞かせて着手したテーマは「晩春の里山」。昭和の四街道周辺をイメージし、レトロな駅舎・小さな町並み・水田・畑。それと花咲線の名にちなみ、たっぷりの桜や菜の花。それらをBトレインショーティーが走行可能なサイズに詰め込む。
細部紹介ページ>